すべての案件に最適なVDRはありません。投資銀行が主導し多数の買い手候補が参加する売却プロセスと、中小企業の事業承継やシード資金調達では、求められる機能も予算も違います。日本の案件で使われるVDRを、日本語対応、データの保存場所、認証、料金体系、向いている案件の観点で比較しました。
各社の公式サイトで2026年11月7日に確認した情報です。日本円の料金を公開している専用VDRは確認できませんでした。開示:HelpRangeは当社の製品です。同じ基準で評価し、できないことも記載しています。
| サービス | 日本語 | データ保存・認証(各社の表示) | 料金 | 向いている案件 |
|---|---|---|---|---|
| Datasite | 日本語サイトあり | Microsoft Azure(リージョン非公表)/ISO 27001、SOC 2 Type II | 見積もり制(Vendrによる購入者データの中央値 約25,500ドル/年) | 大型のセルサイドM&A |
| Intralinks | 日本語サイトあり | 2021年に東京エリアのデータ保存拠点を発表/ISO 27701 | 見積もり制(同 約13,950ドル/年) | 金融機関、大型・規制業種の案件 |
| iDeals | 日本語サイトあり | 日本での保存は表示なし/ISO 27001 | 見積もり制(容量ベース、ページ課金なし)、30日間無料トライアル | 中〜大型M&A |
| リーガルテックVDR | 日本の事業者 | サーバー所在地・認証はページに記載なし | 非公開(無料トライアルあり) | AIによるQ&A対応を重視する案件 |
| Ansarada | 日本語サイトなし | 保存リージョンを選択可能 | 容量×期間の価格表を公開(250MBで月額229〜439ユーロ) | M&A、資金調達 |
| HelpRange | 日本語画面 | ドキュメントはAWSフランクフルト(EU)、アプリと分析はAWS米国/ISO 27001・SOC 2なし | Free 0ドル、Pro 39ドル/チーム/月、Unlimited 139〜174ドル/月、Deal Room Pass 90日199ドル(米ドル建て) | 小規模案件、資金調達、案件の多いアドバイザー |
デューデリジェンスの資料には従業員や取引先の個人情報が含まれます。VDRのサーバーが海外にある場合、次の点を確認してください(個人情報保護委員会「外国にある第三者への提供編」ガイドライン、個人情報保護委員会Q&A)。
サービス選定時は、データの保存場所、委託先・再委託先、契約条件を確認しましょう。本ページの内容は法的助言ではありません。
投資銀行が主導する大型売却案件の定番。日本語サイトがあり、Microsoft Azure上で稼働し、ISO 27001などの認証とSOC 2 Type IIを表示しています。料金は案件ごとの見積もりで、購入者データの中央値は年約25,500ドル(Vendr)。2024年にAnsaradaの買収で合意しています。
SS&Cグループ。金融機関、資本市場、規制業種の大型案件で広く使われています。日本語サイトがあり、2021年6月にVDRProのデータを東京エリアに保存する拠点を発表し、個人情報保護法の改正に触れています。料金は見積もり制で、購入者データの中央値は年約13,950ドル(Vendr)。
日本語サイトを持つグローバルVDR。Q&A、動的透かし(ウォーターマーク)、AI、電子署名などM&A向けの機能がそろい、ISO 27001を取得。プランはCore・Premier・Enterpriseで、いずれもユーザー数無制限、容量ベースの課金(ページ課金なし)。料金は見積もりのみで、請求通貨に日本円は含まれていません。30日間の無料トライアルあり。
リーガルテック株式会社の国内サービスで、AIによるQ&A対応と細かなアクセス権限設定が特徴です。料金、サーバー所在地、認証はサービスページに記載がなく、無料トライアルが用意されています。導入前に見積もりと保存場所を確認してください。
オーストラリア発のVDR(現在はDatasiteグループ)。この分野では珍しく、容量と契約期間ごとの価格表を公開しています(2026年7月版)。250MBは月払いで月額439ユーロ、12か月契約で月額229ユーロ、1GBは1,359ユーロまたは639ユーロ。初期設定は無料で、課金はルーム公開時または作成から90日後に始まります。
閲覧前のNDA同意、メールに届くコードでのログイン、閲覧者のメールアドレス入りの透かし、ダウンロード禁止、ページ単位の閲覧分析、資料に基づくAI回答。ドキュメントはAWSフランクフルト(EU)に暗号化して保存し、アプリ、アカウント情報、分析はAWS米国で稼働しています。画面は日本語に対応しています。
料金はユーザー単位ではなくチーム単位で、米ドル建てです:Free 0ドル(月15回の閲覧)、Pro 月39ドル(基本ルーム3つまで、NDA・ゲストのアップロードなし)、Unlimited 月174ドル(年払いで月139ドル、ルーム・ゲスト無制限)、Deal Room Pass 90日間199ドルの一回払い。
制約:ISO 27001・SOC 2は未取得、承認フロー付きの正式なQ&A機能はなし、日本国内でのデータ保存はなし、請求は米ドル。
費用の目安:データルームの費用 基礎知識:バーチャルデータルームとは 必要書類:デューデリジェンス資料リスト
案件によります。大型の売却案件はDatasiteやIntralinks、日本語サイトと容量課金ならiDeals、中小規模のM&Aや資金調達なら価格を公開しているAnsaradaやHelpRangeが候補です。
2026年11月7日時点で、日本円の料金表を公開している専用VDRは確認できませんでした。主要サービスは見積もり制で、価格を公開しているAnsaradaはユーロ、HelpRangeは米ドル建てです。
Intralinksは2021年に東京エリアのデータ保存拠点を発表しています。ほかのサービスは保存場所を各社に確認してください。HelpRangeはドキュメントをEU(フランクフルト)に保存しており、日本国内保存には対応していません。
HelpRange Free(月15回の閲覧)があります。iDealsは30日間、リーガルテックVDRも無料トライアルを用意していますが、本格的なデューデリジェンスには有料プランが前提です。
法律上の義務ではありませんが、金融機関や大企業は求めることが多いです。認証のロゴだけでなく、認証範囲や報告書を確認しましょう。